「作曲ができる人は、一体どのような過程を経て作曲できるようになったのか?」
気になっているけど、具体的な情報が少ないと感じている人もいるのではないでしょうか?
この記事では、私が作曲できなかった過去から、作曲できるようになった現在に至るまでの過程を紹介します。
先に自己紹介しておくと、私は現在、会社員をしながらシンガーソングライターとしても活動しています。
やっている音楽のジャンルとしてはJ-POPで、歌のメロディーのある曲をギターの弾き語りで作っています。
2024年1月13日に、オリジナル曲3曲を収録した1stシングル「Tolerance」をリリースしました。
ちなみにこんな曲です↓↓
▼▼「Tolerance」ミュージックビデオ(ショートVer)▼▼
▼▼1stシングル「Tolerance」配信サイトURL▼▼
https://big-up.style/agLV3rhebD
そんな私も最初は曲の作り方が全く分からず、たくさんの試行錯誤を重ねてきました。
過去の私と同じように「作曲できるようになりたいけど、何から始めていいか分からない」という人にとって、私の体験談が少しでも参考になればいいなと思ってこの記事を書いています。
もちろん、作曲活動に正解はなく、自分に合ったやり方も人それぞれ違うので、あくまで「こういうやり方もあるんだな」と、たくさんある方法の中の一つとして、参考にできる部分があればご自身の作曲活動に取り入れてもらえれば幸いです!
人生初の楽器経験
小学3年生の頃、親の勧めでエレクトーンという楽器を習い始めました。
しかし、その当時は音楽をほとんど聴いたことがなく、音楽に全くと言っていいほど興味がなかったので、「これ何の役に立つんだろう?」と思いながら練習していました(笑)。
家庭の事情もあり、中学1年生の時にエレクトーンはやめてしまいましたが、この時に楽譜の読み方を教わったり、メロディーやコード、リズムといった音楽の概念に触れていたことが今につながっていると思うので、親には感謝しています。
曲作りに興味を持つ
高校生の頃、YUIというアーティストの存在を知ってから、「曲を作って歌う」ことに強く惹かれるようになりました。
理由は分かりませんが、「あれだけクオリティーの高い楽曲を自ら作詞作曲し、歌っている」ということになぜか強い衝撃を受けたのを覚えています。(それまで音楽をほとんど聴いてこなかったので、なおさら新鮮だったのだと思います。)
その後も、スピッツやMr.Children、BUMP OF CHICKEN、L’Arc〜en〜Cielなど、主にJ-POPの幅広いアーティストの曲を聴きあさる日々を送ります。
ギターを手にする
YUIの影響や、高校の音楽の授業でギターを習ったことをきっかけに、ギターに興味を持つようになりました。
ありがたいことに親にアコースティックギターを買い与えてもらい、コードを覚え始めました。
しかし、コードを抑えられるようになっても曲を弾けるようにはならず挫折しかけていました。
そんな時にたまたま、YouTubeで初心者向けにギターの弾き方を教えている「なつばやしさん」という方の動画に出会い、なつばやしさんのYouTube動画を見ながら弾き語りを練習しました。
▼▼なつばやしさんのYouTubeチャンネルはこちら▼▼
https://www.youtube.com/@natsubayashi
まぐれで1曲作ったものの挫折
ギターで弾き語りができるようになり、スピッツのチェリーという曲と同じコード進行で人生初のオリジナル曲を作りました。
感覚的には、「作った」というより「降ってきた」という感覚に近かったです。(おそらく、どこかで聴いたことのあるメロディーの集合体の可能性が高いと思います。)
最初、頭の中でサビのメロディーが鳴っていて、ギターでコードを鳴らしながらそのメロディーに合うコードを探したという感じです。
そもそも音楽理論やコード進行の概念すら知らなかった当時、当てはめたコードがたまたまスピッツのチェリーと同じコード進行になっているということすら自覚していませんでした。(後から自分で分析してみて分かりました。)
サビが出来て、Aメロ、Bメロも付け足して1曲に仕上げるまでわずか5分~10分ほど。何も考えずに、すんなりと出来上がってしまい自分でも驚いたのを覚えています。
ちなみにその時に作った曲がこちら↓↓
▼▼「再会」弾き語り動画▼▼
ここまで読んで、「なんだ、もともと作曲の才能ある人じゃん」と思われたかもしれませんが、ここから問題が発生しました。
もうそれっきり、私のもとにメロディーが降ってくることはありませんでした。
曲を作ろうと思っても、作れませんでした。
理由は簡単で、最初は全てが「たまたま上手くいった」だけでした。
自分がやっていることを理解していたわけではなかったため、再現することができなかったのです。
「曲を作りたいけど作れない」状態から抜け出せる方法が分からず、絶望してしまいました。
音楽理論に出会う
やがて社会に出て働くようになりましたが、音楽をやりたいという気持ちは捨てきれず、休日にミュージックスクールに通い、ボーカルとアコースティックギターを習っていました。
レッスンの担当だった先生に「曲を作ってみたい」と伝えたところ、作曲に必要な音楽理論をレクチャーしてくださいました。
具体的には、メジャースケール、キーの概念、ダイアトニックコード(よく使うコード)などです。
宿題で自分の好きな曲の分析を行い、それらの音楽理論が実際の曲の中でどのように使われているのかを学びました。
もっと色々なことを学んでいきたかったのですが、このタイミングでコロナ禍が始まってしまい、残念ながらミュージックスクールは退学することにしました。
曲分析で曲の構造を理解する
コロナ禍によって余った時間を利用して、本格的に曲分析に取り組みました。
有名な曲のコード進行を何十曲と分析していくうちに、どの曲のコード進行にもある程度共通したルールが存在することを理解しました。
また、それを論理的に理解することで、自分でもそれを再現できるようになっていきました。
※音楽理論や曲分析については「うちやま作曲教室」というサイトでとても詳しく解説されています。
私も実際、うちやま先生のサイトで音楽理論や曲分析について学びました。
▼▼うちやま作曲教室サイト▼▼
学んだことを活かして作曲に取り組む
「本気で作曲をやってみよう!」と思った私は、曲分析で学んだことを活かして作曲に取り組みました。
自転車に乗ってみないと乗れるようにならないのと同じで、実際に曲を作ってみないと作曲できるようにはならないからです。
最初のうちは有名な曲のコード進行をまるっとそのまま真似てギターで弾きながら、鼻歌でメロディーをのせていきました。
ひねり出したメロディーがぎこちなかったり、思うような曲調にならなかったり、「こんな曲を作りたいわけじゃない」と投げ出したくなることがほとんどでした。
しかし、それでも途中で捨てずに、「最後まで作りきる」ということを死守しました。
ここで言う「最後まで」とは、自分の中で決めた基準です。
例えば、「サビだけ作ってみる」とか、「1番のAメロ、Bメロ、サビまでを作りきる」といった感じです。
途中で投げ出さないことで、「どうすれば改善できるか」ということを自分なりに試行錯誤できるようになり、それが経験として積み重なっていきました。
また、1ヵ月に1曲、1年で12曲作ると目標を立て、数をこなすことを意識しました。
自分の作品が増えるごとに達成感を得られ、モチベーションの維持にもつながりました。
作った曲を聴いてもらう
10曲以上作ると、その中で自信作といえる曲がいくつか出来上がりました。
歌詞を付けて、弾き語り動画を撮影してYouTubeやX(旧ツイッター)に投稿してみました。
案の定、自分のオリジナル曲だけだとほとんど聴いてもらえなかったので、有名な曲のカバー動画もアップしました。
1~2年ほどこつこつ投稿を続けていると、少しずつ再生されるようになり、いいねやコメントの数も増えていきました。
毎回お褒めのコメントをくれる人も一人、二人と現れ、オリジナル曲にも感想のコメントをもらうことができました。
ごく少数であっても、自分のファンといえる存在ができたのはとても嬉しかったです。
曲分析と作曲を繰り返す
たくさん曲を作っていると、似通った雰囲気の曲ばかり作ってしまいがちなので、意識的にいつもと違う曲調の曲を作ってみたりもしました。
作りたい曲の雰囲気に近い曲のコードやメロディー、リズムなどを分析して、それを取り入れて作曲してみるといった感じです。
勉強と実践を繰り返すことで知識が定着し、できることの幅が広がっていきました。
こうして作曲を2~3年くらい続けていると、最初の頃に比べて良いメロディーをたくさん作れるようになり、全体的に違和感のない聴きごたえのある曲を作れるようになっていきました。(過去に作った曲と聴き比べてみると分かります。)
初のオリジナル曲リリース
冒頭でも紹介しましたが、2024年1月13日に、オリジナル曲3曲を収録した1stシングル「Tolerance」をリリースしました。
CDは出さずに、各サブスクリプションサービスや音楽販売サイトなどで楽曲を配信しています。
まだまだ満足のいく再生回数には至っていませんが、それでも以前とは比べ物にならないほど多くの人に、自分の楽曲を届けることに成功しました。
YouTubeで公開したミュージックビデオへのコメントで、「この曲がすごく好きです」と言ってもらえた時は、涙が出るほど嬉しかったです。
「作曲をやっていてよかった」と心から思えました。
▼▼オリジナル曲「Tolerance」ミュージックビデオ▼▼
▼▼1stシングル「Tolerance」配信サイトURL▼▼
https://big-up.style/agLV3rhebD
【最後に】まとめ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
作曲ができるようになるために私が取り組んだことを改めてまとめると以下の通りです。
- 弾き語りの練習をした → 音楽の構造を体感で理解した
- 音楽理論を学んだ → それまで体感でやっていたことを頭で理解した
- 曲分析をした → 音楽理論が実際の曲の中でどう使われているのか理解した
- 曲分析で学んだことを活かして作曲をした → まぐれではなく意図的に曲を作れるようになった
「作曲できるようになりたい」と思ってから、実際に作曲できるようになるまで、かれこれ10年以上試行錯誤してきました。
それだけ、世の中には作曲に関する情報が少なすぎるということもありますが、「作曲は才能のある人にしかできない」という先入観を植え付けられている人が多いのも事実です。
確かにある程度の素質は必要かもしれませんが、そもそも自分でやってみる前から諦めてしまう人が多いことに問題意識を感じています。
私も自分で曲作りを経験するまでは知りませんでしたが、曲を作るということがいかに大変なことか知ってから、もともと好きだったアーティストをさらに好きになり、よく知らないアーティストもリスペクトできるようになりました。
作曲を通じて音楽への愛が深まり、人生も豊かになっていったので、作曲をやってみて本当に良かったと思っています。
しかし、私が言いたいのは「曲作りは辛く大変なこと」だということではありません。
もちろん大変なこともありますが、自分の曲が誰かの心に届いた時の感動は、何ものにも代えがたいものです。それがたった一人の人であっても構わないのです。
この記事を最後まで読んでくださったあなたは、少なからず作曲に興味のある人だと思うので、その感動をぜひ味わってほしいと思っています。
音楽が大好きで、「自分でも曲を作ってみたい!」と密かに思っているのであれば、どうかその気持ちに正直に、何かしらの行動を起こしていってくださいね。
私はこのブログを通じて、そういった人たちの手助けができるような情報を今後も発信していきたいと考えています。
今回の体験談が、あなたの作曲活動を少しでも後押しできることを願っています。
それでは、次回の記事でお会いしましょう!
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